クロストーク

理系トーク

“理系で商社”のキャリアを歩む、3人の学生時代とは?

落合:学生時代は、大学院まで進み、先進理工学部応用化学科に所属していました。有機化学分野におけるステロイドの研究に携わり、女性ホルモンの化学構造の変化を利用した抗がん剤の生成に取り組んでいました。日々、応用化学と向き合っていたので、就職活動時に重要視していたことも“化学品を扱える仕事”ということ。中でも、面接での印象が良く、化学品にも強みのあった蝶理に決めました。
本嶋:私も、大学院に進み、応用生物科学を専攻していました。具体的には、海洋性由来の真菌、つまりカビの研究ですね。“青カビが抗生物質のペニシリンをつくった”という話は有名だと思うんですが、それと同様の考え方で、海から採取したカビが生合成した有機化合物の解析や探索ということに携わっていました。実はこの行程の一部は、現在でも製薬業界の薬開発で利用されるものと同じです。その意味で、この経験は医薬品も扱う現在の仕事にも非常に役立っていますね。

兒玉:私は理工学部で化学を専攻していました。2人とは違い大学院には進まず、学部卒での就職活動を考えました。当時に考えたのは“顕微鏡を見ながらデータ解析をするよりも、もっと人と関わって、いずれは海外で仕事をしたい”ということ。従って、研究職には目もくれず、営業職を志望していました。しかし、“理系女子”で営業職を志望する人は周りに多くなかったので、不安もありました。しかし、商社で働きたいという気持ちが強く、また、文系・理系は関係ないと考えていたので、自分の想いを貫きました。
本嶋:確かに商社で働く上で、理系だから、文系だから、という括りではなくて、やはり関係構築力やコミュニケーション力が大切だと日々実感しますね。ただ、商材として化学品を扱う上で、理系の知識が役立つ場面は多いですね。
落合:他には、学生時代の研究で培った“物事の進め方”も役立っているように感じます。研究を通じて、「ここがこうなったから、こうなる」「では、次はこうするべきだ」という、プロセスを論理的に考える癖が身に付くんですよね。それって、社会人になってからの仕事の進め方でも非常に大切なことだと思います。

蝶理では、どんな仕事をしていますか? 理系の知識は、役立っていますか?

落合:私は、化学品・機械物流部(取材当時)に所属しています。主に携わっているのは、化学品と機械品の“三国間貿易”。蝶理が仲介役となり、A国が輸出したものをB国が輸入する、といったビジネスをしています。仕事柄、様々な商材の輸出入に関わるのですが、その商材がどんな特徴を持っているのかを知る際には、学生時代の知識や経験が役立っています。例えば、化学品の中には船で運ぶ最中、まれに気化してしまい爆発を起こすものがあります。学生時代に数え切れないほど化学品を扱ってきたおかげで、こうした類いの化学品は名前を聞けば何となく分かる。そのおかげで、思わぬトラブルを未然に防ぐことができます。
本嶋:私が所属するファインケミカル部では、主に“トレーディング”と“新規開拓”を行っています。中でも、新たな需要家と供給元のマッチングを行う“新規開拓”では、理系の知識が必要となる場面が多いです。医薬の原料やゴムの添加材といった化学関連商材の製造元と、それを必要とする需要家を繋ぐ“橋渡し”が私の役目ですが、ここで必要となることの一つとして挙げられるのは、お客様の疑問や不安にしっかりと答えられる知識です。「その製造元は大丈夫なのか?」「どういった体制でつくっているのか?」といったお客様の様々な不安を払拭するため、化学の知識を活かせる場面も少なくないです。
兒玉:私は主に、健康食品の原料の輸入販売を行うライフサイエンス部に所属しています。海外から輸入した原料を、日本のメーカーなどに提案・販売するのですが、その際に行う臨床試験データの分析には学生時代の経験をフル活用していますね。膨大な試験データでも、ポイントや問題点を理解できることが多いので、学生時代に化学を専攻していて良かったと日々感じています。

理系出身者が思う、“商社の仕事の面白さ”とは?

落合:海外とやりとりをするので、ニュースで知った社会情勢や経済状況が自分の仕事にダイレクトに影響する点は、面白さでもあり難しさでもあります。例えば、普段関わる機会の多いウクライナやロシア、ブラジルといった国々ですと、近隣国で起こった情勢の変動に伴い“貨物がたどり着かない”ということも珍しくないです。また、ワールドカップの期間中はブラジルでの仕事が進みにくい、何てこともあります(笑)。もし、研究職に就いていたら、こんな経験は無かったかもしれませんね。
本嶋:確かに、海外とのやりとりは日本では考えられないことが起きることがあるので面白いですね。しかし、同時に難しさもありますよね。私はインドへ行くことが多いのですが、そこで重視しているのは“Longterm Relationshiop”、つまり長期的な関係性づくりです。文化も環境も、利害関係すら異なる彼らと上手くビジネスをしていくためには、短期的な損益では話になりません。まずは、人対人であることをベースにした人間関係を築き、その上で「今回はダメだったとしても、次回で埋め合わせる」といった長期的な見方が大切だと考えています。先輩方が培ってきた歴史もあるので、その点はすごく意識しますね。人対人であるので思い通りにいかないことも多いですが、それを越えた先にあるものが、商社で働く醍醐味だと思いますね。

兒玉:私の場合は、“健康食品”という身近な商材を扱っているので、自分の関わった製品が消費者の手に渡っている様子を目の当たりにできることがやりがいに繋がっています。場合によっては、商社でありながら商品の企画段階から関わることもありますし。難しさは、やはり営業としての交渉力ですね。当然ですが、価格などの折り合いがつかず、お客様が他の原料に乗り換えようと検討される場合もあります。そういった際に上手く自社の商材をアピールし、ご納得頂ける説得力を身に付けたいと、常々感じています。提案に説得力を持たせるためにも理系の知識は役立つことが多いので、社会人になった今も日々勉強しています。

理系出身者の視点から見た“蝶理”って、どんな会社ですか?

落合:僕は、“好奇心旺盛な人が多い会社”だと思いますね。上司や先輩を見ていると、普段の仕事への取り組みも、好奇心を持って、楽しんでいる人が多い印象がありますね。
本嶋:商社で働く上で、好奇心は不可欠かもね。ルーティンで決まったことをやっていれば良い仕事ではないから、常に新しい商材をキャッチしないといけないし、色んな所から入ってくる情報を吸収しないといけない。そのためには、好奇心は欠かせないと思うな。
兒玉:それから、一人ひとり仕事の裁量は大きいですよね。上司も若手にどんどん仕事を任せてくれるので。正直しんどい時もありますが、その分やりがいを感じられる時も多いですね。
落合:仕事が個人個人にだいぶ任されているから、みんな自由にやらせてもらっていると口々に言うよね。そういった意味では、自由な会社なんじゃないかな。

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